サイレントお祈りとは?デメリットや不採用者への適切な対応を解説

Offers HR Magazine編集部 2023年9月15日

Offers HR Magazine編集部

目次

近年、就職・転職活動をしている人々の中で「サイレントお祈り」が問題視されています。企業イメージの低下につながるので、不採用者にも適正な対応をしなければいけません。サイレントお祈りとは何か、企業がするデメリットについて解説します。

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「サイレントお祈り」とは何か?

(出典)https://www.pexels.com/

企業の採用活動において、優秀な人材の早期離職を防ぐため、人事担当者は採用後のフォローを徹底しなければいけません。その一方で、不採用者に対しても敬意を持って対応すべきですが、近年は不採用者に対する企業の「サイレントお祈り」が問題視されています。

不採用者に対して連絡をしないこと

サイレントお祈りとは、簡単にいえば、不採用者に対して一切の連絡をしないことを指します。企業は採用活動の結果、採用を決めた応募者に対しては内定通知や採用通知を送付するのが一般的です。その一方で、不採用者に対しても、基本的にメールで不採用の連絡をするものです。

しかし、企業の人事担当者によっては、不採用者に対して何の連絡もしないケースもあります。これが就職活動中の学生や、転職活動をしている人々の間で「サイレントお祈り」として問題視されているのです。サイレントお祈りのネーミングは、企業が不採用者に送付する「お祈りメール」に由来しています。

そもそも「お祈りメール」とは?

お祈りメールとは、企業が送付する不採用の通知メールの俗称です。不採用の通知メールでは、文章の最後に「今後のご活躍をお祈りいたします」といった定型文がよく記載されるため、インターネットを中心に不採用の通知メールを俗に「お祈りメール」と呼ぶようになった経緯があります。

求職中の人にとって、企業からの「お祈りメール」は不採用を意味するため、当然ながら受け取ってうれしい類のものではありません。人によっては判を押したような定型文に、強い不快感を持つケースもあります。

さらに、近年は不採用者に「お祈りメール」の送付どころか、一切何もしない企業が話題になり始めました。これが俗に「サイレントお祈り」と呼ばれており、企業側の姿勢が批判の対象になることも珍しくありません。

サイレントお祈りの背景や実態

(出典)https://www.pexels.com/

サイレントお祈りは就職・転職活動中の人々からすれば、スムーズな求職活動を妨げる行為ともいえるため、度々批判の対象となります。

企業側としても自社のイメージの低下を防ぐため、不採用者に対して丁寧な対応が求められるわけですが、それでも不採用者に一切の連絡をしない企業も少なくありません。一部の企業が「サイレントお祈り」をする理由について解説します。

企業がサイレントお祈りをする主な理由

全員に採用・不採用の連絡をするのに手間と時間を要するので、少しでも人事部門の業務効率化を図るために、不採用者には連絡しない企業は少なくありません。応募者数が多く人事担当者がさばききれないケースや、単に連絡漏れが発生している場合などもありますが、一貫して不採用者に何の連絡もしない姿勢を貫いている企業もあるのが実態です。

また、不採用になった応募者からの質問対応に時間を取られないためや、人事担当者の手違いにより、採用者に対して不採用の連絡をしないためといった理由もあります。

合格者のみに連絡をする企業は少なくない

HR総研の調査によれば、大手企業の1/3程度が採用活動を通じて採用者のみに連絡をして、不採用の応募者には連絡をしていない実態があります。中小企業やスタートアップの中にも、不採用者に対して何もしない企業が一定数存在しています。

特に数千通もの応募書類が送られてくるような企業では、決まった人数で採用活動を進めるため、不採用者に何の対応もしないケースが珍しくありません。サイレントお祈りが問題視されるようになり、採用姿勢の見直しを進めている企業もありますが、いまだに不採用者に連絡をしない企業は多いのが実態です。

出典:大企業の3分の1強が書類選考不合格者に連絡しないという実態 - 就活生が苛立つ「サイレントお祈り」|HR総研

サイレントお祈りに憤る求職者は多い

サイレントお祈りはマナー違反と感じられ、非常識・不誠実な行為として憤る求職者は多く、SNSやネット掲示板などでも話題になることがあります。就職活動中の学生を対象とした調査でも、企業に対する不満の多くを占めるのが「サイレントお祈り」といわれています。

詳しくは後述しますが、近年はインターネットを中心に企業の不誠実な行為がさらされ、バッシングの対象になるケースは珍しくありません。サイレントお祈りが習慣化している企業は特に問題視していなくても、求職者の間で話題になることで、採用活動に支障が出る可能性があります。

サイレントお祈りのデメリット

(出典)https://www.pexels.com/

サイレントお祈りは人事部門の業務効率化が期待できる半面、デメリットが大きいので注意しなくてはいけません。上記のように、企業の対応に憤りを感じている求職者もいるので、不採用者にもしっかりと対応すべきです。サイレントお祈りの企業側のデメリットを理解しておきましょう。

企業イメージの低下を招く

企業が不採用者に対して何の連絡もしない場合、対象者は自分が採用なのか不採用なのか、判断するのに時間がかかってしまいます。応募先から連絡が来ないことで、自ら不採用であることを察する人が多いわけですが、応募者として企業側の姿勢に不満や憤りを感じる人が目立ちます。

応募のために時間や手間をかけた人に対して、結果を報告せずに放置するのは当然、応募者にとっては気分の良いものではなく、企業イメージの低下につながる可能性が高いでしょう。

不誠実な対応を拡散される恐れも

ビジネスシーンにおいても、必要な連絡は必ずするのが常識であり、企業の「サイレントお祈り」のような不誠実な対応は不興を買いやすく、対応をSNSなどで拡散される恐れもあります。そうなると、他の応募者や取引先などにも知られる可能性があるでしょう。

求職者の間で批判の的になるばかりでなく、結果的に自社の営業活動にも支障が出てしまう可能性があります。場合によっては、人事担当者の名前が外部に知られる場合も考えられます。

内定辞退が発生する可能性もある

サイレントお祈りのような不誠実な対応が広く知られると、内定者からのイメージも低下する可能性があり、内定辞退を招く恐れもあります。

特に、エンジニアのように人気の高い職種を採用する場合、入社の選択権は相手にあるケースが多くなります。優秀な人材は引く手あまたの状態のため、企業側の姿勢を理由に内定を辞退して、他の企業を選んだ方がよいと思われる可能性もあるので、注意しなければいけません。

不採用者への適切な対応法

(出典)https://www.pexels.com/

サイレントお祈りは長期的にみてデメリットが大きいため、企業としてできる限り避けるべきです。特にエンジニアのように、人材の獲得競争が激しい職種を採用するならば、基本的に全ての応募者に対して誠実に対応しなければいけません。特に以下の点は、企業として最低限、守るようにしましょう。

原則として全ての応募者に合否の連絡を

基本的には、採用・不採用にかかわらず、全ての応募者に連絡をすることが大事です。面接の時点で合否の連絡をする期限を伝えておき、それまでに不採用者に対してもメールで連絡するようにしましょう。

不採用のメールは件名で用件が分かるようにし、ビジネスメールの基本に準拠して文面を作成するのはもちろん、応募に対する感謝を丁寧に伝える必要があります。不採用の理由を明らかにする必要はありませんが、丁寧な文章で誠実さが伝わるように心掛けなければいけません。

不採用の連絡をしない場合は事前に伝える

企業によっては、人事担当者の手間や採用コストの問題などで、全ての不採用者に連絡が難しいケースもあるでしょう。その場合は面接時に、不採用ならば連絡をしない旨をしっかりと伝えておく必要があります。さらに、不採用の連絡をしない理由も明確にしておくとよいでしょう。 

また、採用・不採用の連絡をする時期や、連絡方法を伝えるのも忘れてはいけません。連絡期限が分かれば、応募者側はいつまで結果を待てばいいのか判断できるので、その後の求職活動に支障が出にくくなります。企業として相手の立場を考慮して、丁寧に対応することが重要です。

サイレントお祈りはできる限り避けるべき

(出典)https://www.pexels.com/

サイレントお祈りとは何か、その実態とともに解説しました。サイレントお祈りは人事部門の業務効率化や採用コストの削減といった一時的なメリットはあるものの、それ以上に企業イメージの低下や内定辞退を招くといったデメリットがあります。

一般的なマナーとしても問題があるとの認識が広まっているので、基本的に全ての応募者に採用・不採用の連絡をすることが大事です。人的リソースの問題などで不採用者への対応が難しい場合は、事前に不採用ならば連絡をしない旨を、期限とともに必ず伝えておきましょう。

人事部門の姿勢が社会的なイメージにつながる場合もあるので、企業として常識的かつ誠実な対応が求められます。

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