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エンジニア採用においても、近年はミドルシニアを積極的に活用する企業が増えています。ミドルシニアの定義や活用のメリット、注意点などを解説します。これから本格的にエンジニアの採用を考えている企業は、ミドルシニアの採用も検討してみましょう。
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ミドルシニアとは?どういう世代?
(出典)https://unsplash.com/
ミドルシニアは厳密な定義がある言葉ではありませんが、以下のように30歳から54歳、さらに55歳以降の年齢層を指す用語として知られています。まずは言葉の定義と注目される理由から、確認していきましょう。
ミドルシニアの定義
「ミドル」や「シニア」は一般的に年齢層を指すもので、人によってイメージが異なる用語でもあります。厳密な言葉の定義はありませんが、人材市場においてミドル世代は30〜54歳で、シニア世代は55歳以上とされています。従ってミドルシニアとは、30代以上の人材を指すのが一般的になっています。
30代以上になると、ビジネスパーソンとしてある程度のキャリアを積んでいる人が多く、管理職として活躍している人も少なくありません。実際、転職市場においてミドルシニア層を採用する場合、特定の分野におけるエキスパートや管理職などを採用する企業がほとんどです。
ミドルシニアが注目される理由
IT業界をはじめとして、ミドルシニアが注目される理由としては、少子高齢化により人材市場の供給が減っている点や、人材の早期離職が目立つ点などが挙げられます。とりわけエンジニアは慢性的な人手不足に陥っている企業が多く、優秀な人材を獲得するのが難しい状況です。
そこで、未経験者の採用・育成を検討するとともに、ミドルシニアを積極的に採用する企業が目立つようになりました。ミドルシニアは経験豊富で育成の手間がかからず、すぐに現場で活躍してもらえるため、エンジニアはもちろん、さまざまな職種で採用が増えています。
ミドルシニアのエンジニアの転職が活発に
(出典)https://unsplash.com/
ミドルシニアの採用に前向きになる企業が増えている一方で、エンジニア側も積極的に転職を考える人が増えています。少子高齢化の背景もあり、以下のようにIT業界の中心はミドルシニアとなっており、いわゆるエンジニアの「35歳限界説」も時代遅れの考え方になりつつあります。
IT業界の中心はミドルシニア
現状、エンジニアをはじめ、IT業界全体でミドルシニア世代の就業者数が、全体の半分以上となっています。業界の中核を担っているのがミドルシニア世代であり、日本全体で少子高齢化が進んでいるため、今後もミドルシニア世代の人材が増えることは間違いありません。
事実、40歳以上のエンジニアが業界において半数以上であり、30代の転職に積極的な層に次いで、転職にも積極的な人が多くいます。
「35歳限界説」も年齢の先延ばしへ
これまでエンジニアの世界では『35歳限界説』が一部でささやかれていましたが、上記のようにIT業界の中心はミドルシニア層であり、今後も増え続けることが予想されます。ミドルシニアを積極活用する企業も増えているので、エンジニアの35歳限界説は事実上、年齢が先延ばしされています。
また、35歳を超えていても、転職活動を成功させるエンジニアや、順調にキャリアアップを重ねる人も多かったため、もともとこの説に懐疑的な人も少なくありませんでした。そこに近年のミドルシニアの活躍もあり、この考え方自体が、近年はほとんど信用されていないのが実態です。
ミドルシニアを採用するメリット
(出典)https://unsplash.com/
ミドルシニアの人材を採用するメリットとしては、以下のように、即戦力となる人材を獲得できるのに加えて、高い専門性を期待できる点、教育コストの削減に寄与する点などが挙げられます。それぞれみていきましょう。
必要な人材を確保できる
若手の人材が不足する中で、積極的にミドルシニアのエンジニアを採用することで、業務やプロジェクトに必要な即戦力となる人材を獲得できます。
現状において、十分な労働力を確保できていない企業も多く、採用後のミスマッチで早期離職してしまう若手もいます。そこで、長く業界での経験を積んだミドルシニアの採用に、注力し始める企業が少なくありません。
実際、ターゲット層を若年層だけではなくミドルシニアにも拡大することで、組織の生産性アップに成功している企業は多くあります。
高い専門性や経験値を期待できる
エンジニアとして、さらに社会人として長い経験を持つミドルシニア世代には、若手にはない高い専門性や経験値による活躍を期待できます。
基本的な仕事の進め方はもちろん、部下や後輩の教育経験がある人材も多く、経営やマネジメントに携わった人もいるでしょう。エンジニアの場合は、プロジェクトマネジメントの経験がある人も多くいます。これまで自社では難しかった領域に関して、新たに開発を進められる可能性もあるでしょう。
教育コストの削減につながる
すでにエンジニアとして経験豊富な人材を採用すれば、新人を採用するのに比べて、教育コストの大幅な削減が可能になります。ミドルシニア世代の場合、前職でエンジニアをはじめ、多くの部下を指導した経験を有する人も珍しくありません。
採用するミドルシニア人材の教育コストが不要なだけではなく、社内の人材教育を任せられる場合もあるでしょう。実際、新人の教育やOJTなどを任せる人材として、ミドルシニアのエンジニアを採用している企業もあります。
人材の人脈を生かせる可能性もある
ミドルシニア層にはプロジェクトマネジメントや、事業運営に携わった経験のある人材もいるので、自社にない人脈やつながりを利用できる場合があります。
新規プロジェクトの開始や新規事業の立ち上げ、新たな製品・サービスのローンチを企画している企業は、その分野に強い人材を採用することで、人脈だけではなく、自社にはないノウハウを生かせるケースも多いでしょう。ミドルシニアの人材をうまく生かすことで、スムーズに事業を進められる可能性があります。
企業のイメージアップも期待できる
世代にこだわらず人材を採用し、活躍できる場を提供しているということで、社会に良い企業イメージを持ってもらえる可能性があります。
近年は多様な人材を受け入れるべきといった価値観が日本にも広まっています。さまざまなバックグラウンドを持つ人材を採用すれば、社員の個性を生かす企業のイメージを持ってもらえるでしょう。自社の社会的なイメージがアップするだけではなく、応募者の増加や質の改善も期待できます。
ミドルシニアを活用する際の注意点
(出典)https://unsplash.com/
ミドルシニアの採用にはさまざまなメリットがありますが、以下の点には注意が必要です。熟練のエンジニアを採用する場合でも、企業側がキャリアデザインの支援を行ったり、本来の定年の年齢を超えて、長く活躍してもらったりする工夫が求められます。
キャリアデザインの支援を積極的に行う
ある程度のキャリアを積んでいるミドルシニアの人材は、今後の自分のキャリアに悩んでいる場合や、現状のキャリアで納得している場合も少なくありません。転職に成功することを目的にしている人の場合、その後は挑戦する姿勢を失ってしまい、ある程度のパフォーマンスで満足する場合も考えられます。
そこで、企業が積極的に採用後のキャリアデザインの支援をして、目標を持って働いてもらえるようにする必要があるでしょう。今後のキャリアに迷っている人には、企業側が次に進むべき道を示すことも重要です。
継続雇用の延長も視野に入れる
シニア世代を採用する場合、特別に活躍できる場を設ける工夫も求められるでしょう。定年の延長を視野に入れるなど、シニア層が長く活躍できる環境づくりに注力する必要があります。
シニア層を生かす環境づくりとしては、さまざまな施策が考えられますが、新たな部署を新設したり、新規事業を立ち上げて、マネジメントの立場で活躍してもらったりする方法などが考えられます。それまでの経験を生かしてもらいつつも、新たな領域にチャレンジできる余地を残しておくことも大事です。
ミドルシニア世代の採用ポイント
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ミドルシニアの人材を採用する際、意識すべきポイントを解説します。若手の採用と同様にスキルセットをしっかり見極めるのに加えて、柔軟な働き方ができるように取り計らうことも重要です。
スキルセットを正確に見定める
経験豊富な人材でも、エンジニアとして身に付けてきたスキルは、人によって大きく異なります。採用前にスキルセットやポータブルスキルなどを、企業としてよく見極めるようにしましょう。
近年はエンジニア採用において、年齢や就業年数にとらわれず、応募者のスキルレベルを客観的に評価できる方法が多くあります。社内のエンジニアに協力してもらいつつ、採用基準を明確にしておき、採用後のミスマッチが起こらないように注意が必要です。
特に、ミドルシニア層の採用では、技術面以外の汎用性の高い能力も評価することが重要です。管理能力や部下を育成する能力などの評価方法も決めておきましょう。
時短勤務やテレワークなども検討する
時短勤務やテレワークなど、柔軟な働き方を認めて、広く人材を募ることも大事です。特にシニア層を採用する場合は、長時間勤務が難しい場合もあるので、ある程度は時間の調整が利くようにすることも必要でしょう。
60代を過ぎると、家族との時間を大事にしたい人も増える傾向にあるので、フレックスタイム制を導入したり、在宅ワークやテレワークを導入したりするのも有効です。さらに後述するように、近年は副業採用も注目されているので、平日の夜間や土日のみなど、副業従事者との契約も検討してみましょう。
適性検査の活用も効果的
ミドルシニアの採用でも、適性検査をうまく活用するのがおすすめです。実務能力以上に、採用後にうまくやっていけるか、向上心や環境への適応性、ストレス耐性などを確認することが大事です。
たとえエンジニアとして経験年数が豊富でも、入社後に周囲とコミュニケーションを取りながら、安定したパフォーマンスを発揮できるかは人によります。向上心やストレス耐性などがなければ、早期に離職してしまう可能性もあるので、業務に関する能力以外も、できるだけ客観的に評価する必要があります。
ミドルシニアの採用に役立つ手法
(出典)https://unsplash.com/
ミドルシニアを採用するには、求人サービスや採用媒体の選択も重要です。以下のように一般的な採用手法に加えて、ダイレクトリクルーティングや、リファラル採用なども検討しましょう。
求人サイトや人材紹介サービス
ミドルシニアの年代でも広く採用する点をアピールすれば、一般的な求人サイトや転職エージェントなどを利用して応募を集められます。
ミドル向けの転職サイトや、ハイクラス人材専門の求人サービスなどもあるので、積極的に利用するとよいでしょう。また、成果報酬型のサービスを選択すれば、自社に合った人材を採用するまでコストを抑えられます。
ダイレクトリクルーティング
若手のエンジニアの採用と同様に、企業側から特定の人材に直接アプローチする、ダイレクトリクルーティングも効果的です。求人サイトからスカウトメールを送る方法や、SNSを利用して直接メッセージをやり取りする方法などがあります。
エンジニアの場合、プロジェクトマネージャーや管理職の経験がある人材などを、ヘッドハンティングするのもよいでしょう。現状、転職を考えていない人々(転職潜在層)にもアプローチしておけば、将来的に転職先の候補に選んでもらえる可能性もあります。
リファラル採用
リファラル採用は既存の社員から、自社にふさわしい友人・知人などを紹介してもらう方法です。社内にミドルシニア世代に当たるエンジニアがいるならば、人脈を活用して採用に結び付けるとよいでしょう。社員に直接人材を紹介してもらうため、採用後のミスマッチが起こりづらく、長く働いてもらえる可能性があります。
さらに、一般的な採用に比べてコストがかからず、スムーズに入社に結び付けられるのもメリットです。ただし、人材を紹介してくれた社員に対しては、インセンティブなどの形でしっかり報いるようにしましょう。
副業人材の採用も検討しよう
(出典)https://unsplash.com/
ここ数年、コロナ禍を機に在宅ワークに従事するエンジニアが多いのに加えて、副業を始める人も増えています。ミドルシニアのエンジニアの中にも、副業やフリーランスとして開発案件に携わっている人も多いので、業務委託契約を検討してみましょう。
副業に従事するエンジニアが増えている?
平日の日中は会社員として働きながら、土日のみプログラマーとして仕事をするなど、副業に従事するエンジニアが増加中です。副業で安定した仕事を続けるのは、基本的に技術職として十分な実績やスキルが必要となるので、優秀な人材が多い傾向にあります。
そこで一般的な人材採用に加えて、副業人材との契約を検討することにより、優秀な人材のリソースをスムーズに獲得できるでしょう。家庭の事情を優先したい人や、年齢的に長時間の稼働が難しい人であっても仕事が可能で、幅広く優秀なエンジニアを集められます。
副業人材を活用するメリット
必要な期間だけ必要な人材を確保できるのに加えて、期間限定の案件を通じてエンジニアとしての技能を確認できるため、採用後のミスマッチを軽減できるのが副業採用のメリットです。転職を考えていない層にも広くアプローチができ、場合によっては会社員を引退したエンジニアと契約できる可能性もあります。
また、会社員以外に活躍できる場があると、仕事へのモチベーションが高まる人が多く、一般採用以上のパフォーマンスを発揮する人も珍しくありません。ミドルシニアが新たなキャリアをスタートするのにも、副業から始めてもらうのが効果的です。
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ミドルシニアを積極的に活用しよう
(出典)https://unsplash.com/
ミドルシニアの定義と注目される理由、採用のメリットなどを解説しました。
いわゆるエンジニアの「35歳限界説」はもはや過去の話であり、近年はミドル以上の世代も積極的に転職を検討し始めています。ミドルシニア世代は技術職として十分な経験を有しており、即戦力を求めている企業にとっては狙い目といえるでしょう。教育コストもほとんどかからず、採用した人材の人脈を生かせる可能性もあります。
ただし、すでに自分のキャリアに満足している人や、年齢によっては引退を考え出す人もいるので、企業側がキャリアデザインの支援を行い、定年の延長を視野に入れることも重要です。
一般的な人材採用に加えて、副業人材との契約も検討してみましょう。ミドルシニアの人材をうまく活用することで、企業全体の生産性の向上にもつながります。
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