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エンジニアは慢性的な人手不足で、特に優秀な人材を中途で採用するのは難しいといわれています。エンジニアの中途採用市場の現状と採用を成功させるコツ、おすすめの採用手法などを紹介します。自社に合った人材を雇用するためのポイントを理解しましょう。
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エンジニア中途採用市場の現状
(出典)https://pixabay.com
まずは、エンジニアの中途採用市場の現状を知っておく必要があります。全体として人手不足が顕著といわれているIT業界ですが、特にエンジニアの人材獲得競争が激しくなっています。
新卒採用・中途採用市場ともに活況
ここ数年のエンジニア(ITエンジニア)の求人数を確認すると、コロナ禍以前の2019年と比較して、2022年の求人数はコロナ以前の水準を上回る伸びをみせています。特に、新卒を含む若手エンジニアと40~50代のミドル層の求人数が伸びており、新卒採用に力を入れる企業も目立つ状況です。
若手のエンジニアやミドル層が伸びている要因としては、中途採用の核となる20代の後半から30代にかけて、特に人材の獲得競争が激しく、なかなか即戦力となるエンジニアが採用できない点が挙げられます。そこで、採用する人材の範囲を広げることで、少しでも採用率を上げようと考える企業が増えているわけです。
売り手市場による採用競争の激化
求人数の増加状況から推察できるように、エンジニアの中途採用は現状、基本的に「売り手市場」となっています。もともと人手不足が目立つ業界であるのに加えて、高度なIT人材を求める企業が増えているため、採用市場は激しい競争に晒されています。
さらに、今後もITエンジニアの不足が続くと予想されるので、企業のエンジニア獲得競争はますます激しさを増していくでしょう。採用活動に相応のリソースを割かなければ、必要な人材がまったく採用できない可能性もあります。企業によっては、採用戦略を抜本的に見直さなければならないでしょう。
未経験エンジニアの採用も増加
エンジニアの中途採用が難しい状況のため、新卒を含む未経験エンジニアを積極的に採用する企業が増えています。未経験のエンジニアを採用し、自社のニーズに沿って育成した方が、長い目で見ればプラスになると考える企業が増えているわけです。
しかし逆に、採用コストや人材育成にかかるコストの見直しにより、即戦力エンジニアの採用(中途採用)に方針を転換する企業もあります。採用方針は企業によって異なるものの、中途採用市場の活況に加えて、未経験者の採用も順調に増加しているのが、昨今のIT業界の現状といえるでしょう。
エンジニアの中途採用が難しい理由
(出典) unsplash.com
エンジニアの中途採用が難しいといわれる最大の要因は、上記のように採用競争の激化ですが、それ以外にも以下のような理由が挙げられます。
求めている知識・スキルを有するエンジニアが少ない
エンジニアの需要に対して絶対数が少なめであるのに加えて、企業が求める水準をクリアしているエンジニアの母数が、かなり少ないのが実態です。
一定の基準を超える知識や経験、スキルを有する人材が少なく、優秀なエンジニアはすぐに就職・転職先が決まってしまうので、多くの企業が必要な人材を雇用するのが難しくなっています。
エンジニアの経験やスキルの見極めが困難
自社の開発案件に合致したスキルや、十分な実務経験を有する人材の見極めが難しい点も、エンジニアの中途採用が難しい要因の一つです。
採用担当者の多くが技術畑の人材ではないのに加えて、エンジニアの業界は必要な言語やフレームワークなどが常に進化しています。正規の採用担当者に加えて、現場で活躍しているエンジニアも採用活動に参加しなければ、必要な人材を見極めるのはまず不可能といえるでしょう。
条件のミスマッチ
エンジニア(被採用側)と採用企業との間で、待遇面や労働条件などの調整が付かない場合も多いです。採用担当者の一部が優秀だと感じても、他の担当者やマネジメント層からの採用許可が降りない場合や、好待遇で採用したことで高い成果を求められ、その折り合いがつかずに早期退職につながるケースは珍しくありません。
エンジニア側が他の企業の待遇を魅力に感じて、採用を辞退してしまう場合もあります。大企業に比べて人材に提供できるリソースが少ない中小企業では、採用条件の変更や採用枠の拡大が求められる場合も出てくるでしょう。事実、新卒やミドル層に採用枠を広げている企業が増えています。
働き方の多様化も採用難の一因に
副業やフリーランスなど、正社員や契約社員といった従来の働き方を選ばないエンジニアが増えているのも、採用が難しくなっている理由の一つです。正社員としての就業を求めている企業にとっては、採用できる人材の母数が少なくなっているため、条件に合うエンジニアを見つけづらい状況です。
ただし、これに関しては社員の副業を許容したり、柔軟な働き方を認めたりすることで、広く人材を集められるようになるので、企業側の工夫で乗り越えられるでしょう。実際、さまざまな雇用形態でエンジニアを活用するのが当然の流れになってきています。
エンジニアの中途採用を成功させるポイント
(出典) unsplash.com
エンジニアの中途採用を成功させるポイントを解説します。従来の延長線で採用活動をしている企業は多くありますが、優秀なエンジニアを採用するには、しっかりとした戦略が求められます。
自社の優位性を定めて戦略を立てる
まずは、他社と比べて自社の優位性がどこにあるかを理解し、ミッションやビジョンの策定や見直しから始めましょう。特に、スタートアップやそれに近い中小企業の場合、自社の強みや優位性を経営者自身が理解していないケースは少なくありません。そもそもミッションやビジョンを策定せずに、起業している事業主もいます。
自社の目指すところを明確にしないままでは、採用市場に対しても有効なアピールはできません。将来の方向性や企業文化、組織体制をしっかりと理解し、自社の優位性を生かせる採用戦略を立てましょう。顧客や就職・転職希望者の目線から、積極的に情報を発信することも大事です。
特にエンジニア採用の場合、どうしても応募者の技術やスキルに注目してしまいますが、スキルセットだけでなく、ミッションやビジョンに共感してもらえる人材を選ぶ必要があります。企業の価値観や文化に共感してくれる人材ならば、早期退職を防止でき、エンゲージメントも高めやすいでしょう。
オンボーディング環境を整える
中途採用の場合、入社したての頃に既存社員との人間関係の構築に苦労したり、なかなか現場になじめなかったりする場合があります。
中途社員が入社後にすぐ安心して働けるように、研修や教育体制を整えたり、メンター制度、ランチミーティングなどの環境を整えたりするのがよいでしょう。入社後の教育やフォロー体制の強化は、人材の定着率に大きく影響します。
採用したい人物像を明確にする(ペルソナの設定)
エンジニアとして採用したい人材を明確にすることが大事です。特にエンジニアの場合、人事部門だけで採用する人材の要件をまとめるのでは、現場との認識の違いが出てしまいます。結果的に、採用のミスマッチにつながりやすくなるでしょう。
現場のエンジニアの話を聞いた上で採用活動をしている企業も多くありますが、それでも採用する人材のペルソナを設定しているところは多くありません。ペルソナは採用したい人物像を指し、エンジニアとしての経験や知識、価値観、キャリアプランなどを具体的に決めたものです。
設定したペルソナをベースに採用の基準を設けることで、採用担当者の価値観の違いや思い込み、バイアスなどを排除しつつ、公正かつ客観的な人材採用が可能になります。
現場エンジニアを交えて採用活動を行う
エンジニアの採用は人事だけではなく、社内全体で協力して行う必要があります。人事のみで採用活動をしていると、経営層や現場との認識の違いからミスマッチが起こる可能性が高くなります。また、エンジニアの業務に関する知識やスキルがなければ、応募者の技能を正確に把握するのは難しいでしょう。
一方、選考の初期段階からエンジニアに協力してもらえば、応募者の技能を正確に評価できる可能性が高まるのに加えて、現場の環境や雰囲気に合った人材を採用できます。採用後のミスマッチが起こりづらくなり、早期退職も防げるでしょう。企業によって、採用を担当したエンジニアがそのままメンターとなる場合もあります。
採用条件を緩和する
なかなか自社に合った人材を採用できないならば、一度条件を見直し、必要に応じて緩和できないか検討してみましょう。エンジニアの採用率を上げるために、未経験の人材を採用し、即戦力となるまで育成する方針に転換している企業も少なくありません。
未経験者の採用はさすがに難しい企業であっても、ある程度の経験のある人材を採用し、一定のレベルに至るまで育成することを前提にすれば、採用できる人材の枠が広がるでしょう。40代・50代のミドル層をはじめ、採用する人材の年齢条件を広げる手もあります。
求人媒体や採用手法を見直してみる
他社との人材獲得競争が激しく、さらに人材の絶対数が少ない優秀なエンジニアを採用するには、求人媒体の選択や採用手法も慎重に検討する必要があります。多くのエンジニアの応募がある場所で求人をかけるのはもちろん、採用媒体を増やしたり、採用手法を見直したりする工夫が求められます。
求人サイトや広告など基本的な採用媒体に加えて、後述するダイレクトリクルーティングやリファラル採用など、企業側が積極的にアプローチできる手法も検討してみましょう。
エンジニアの中途採用におすすめの手法
(出典) unsplash.com
では、エンジニアの中途採用に役立つ代表的な手法を紹介します。一つの手段に拘泥するのではなく、複数の手法を組み合わせて運用するのがおすすめです。
直接採用(ダイレクトリクルーティング)
企業が自ら理想とする人材を探して直接アプローチするダイレクトリクルーティングは、エンジニアのように人材の採用競争が激しい分野の採用活動に適しています。特に知名度が低い企業におすすめで、工夫次第で大企業や有名企業に先んじて、優秀な人材を得られるでしょう。
人材にアプローチする方法はさまざまですが、求人サイトのスカウトメールやSNSなどを使って応募を打診する方法がよく使われています。
リファラル採用
リファラル採用は近年注目されている採用手法で、その性質から『縁故採用』とも呼ばれています。既存の社員から必要な人材を紹介してもらう方法で、業務内容や職場環境などを理解している社員からの紹介であるため、採用のミスマッチが起こりづらいのがメリットです。
たとえ転職を考えていない人材であっても、知人や友人からの紹介であれば職場を移ってもよいと考える場合もあるため、転職潜在層にも効果的にアプローチできます。
求人型広告
求人広告サイトを使った採用活動は、エンジニアに限らずさまざまな職種の採用手法として知られています。求人ページは媒体側が作成するため手間がかからず、アクセス数の多い求人サイトならば応募者の母集団を形成しやすいメリットがあります。
一方、応募者が集まらなくても広告費や求人の掲載料金を支払わなければならないので、採用に失敗すると大きな赤字になってしまうリスクもあるので注意しましょう。ただし、近年は採用に成功した場合に、初めて費用が発生する成果報酬型の求人サイトも増えています。
仲介業者やエージェントを利用した採用
マッチングサイトや人材エージェントを利用して、自社に合った人材の紹介を受ける方法もあります。専門のエージェントが提案してくれる人材なので、レベルの高いエンジニアが集まりやすいのがメリットですが、他の採用手法に比べてコストが高めです。
ただし、成果報酬型のエージェントが多いため、採用に至らなければ報酬は発生しません。人材の募集や選択はエージェントに任せられるので、採用にかかる手間や工数をできるだけ減らしたい企業におすすめです。
自社に合ったエンジニアを採用するために
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自社に合ったエンジニアを採用するために、注力すべきポイントを解説します。競争の激しいエンジニアの採用市場において、受け身の姿勢では優秀な人材を獲得することはできません。以下の点を押さえつつ、企業側から積極的にアプローチする必要があります。
積極的に情報を発信する
自社サイトはもちろん、SNSなども使って企業としての魅力を発信する努力が求められます。競合に比べて認知度が低い企業であっても、多くの人の目に留まる場所で強みや職場の魅力などをアピールできれば、その価値観やビジョン、ミッションに共感した人材が応募してくれる可能性があります。
応募者からの問い合わせにはすぐに返信し、積極的なコミュニケーションを取るようにしましょう。丁寧に応募者に対応することで企業としての評判も高まり、新たな人材の呼び水となる場合もあります。
募集要項や求人の文面なども工夫する
自社の魅力や求めている人物像などが伝わる文言で、募集をかけることも大事です。競合と大差ない募集内容や企業紹介では差別化が図れず、応募者はどこが自分に合っているのか判断できないでしょう。ちょっとした言葉の言い回しや提示する情報などで、応募者数が大きく変わるケースは決して珍しくありません。
募集するエンジニアの業務範囲や報酬、福利厚生、キャリアアップのための環境などをしっかりと要項にまとめおきましょう。その上で、競合との違いや、エンジニアとしてどういったキャリア形成が可能かを明示することが大事です。ただし、当然ながら虚偽の情報は提示しないようにしましょう。
エンジニアの採用は「複業」が狙い目
エンジニアを広く募集するには、正社員や契約社員に加えて、副業やフリーランスの人材も募集するのがおすすめです。さらに、近年はいわゆる『複業』人材の採用も狙い目です。
複業人材の雇用を検討してみよう
近年はオフィスでのフルタイム勤務に加えて、より柔軟な働き方を政府が推奨しており、副業に加えて『複業』に従事するエンジニアも増えてきています。複業とは複数の事業に本業として取り組むことを指し、同時並行でさまざまな仕事をこなす働き方です。
本業に対してサブ的な位置づけで従事する副業とは違い、全ての仕事や事業に主体的に取り組むのが特徴です。ここ数年で複業に従事するエンジニアが増えているため、今後は副業やフリーランスに加えて、副業転職を考えているエンジニアを募集するのも有効と考えられます。
複業エンジニアとのマッチングなら「Offers」
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優秀なエンジニアやデザイナーに絞り込んで検索が可能で、求職者や社内の人員との関係性を可視化でき、さらに副業や複業として案件のオファーを出すことも可能です。申し込みからオファーまで最短2日程度なので、この機会に導入を検討してみましょう。
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まとめ
エンジニアの中途採用が難しい理由と、採用を成功させるポイントを解説しました。
エンジニアの中途採用は競争が激しく、自社に合った人材を見つけるのに苦労している企業が多い状況です。自社に合ったエンジニアを見つけるために、理想とする人物像を明確にした上で、広く人材を募集することが大事です。求人媒体や採用手法を見直すのに加えて、複業人材の雇用を検討してみましょう。
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