SES単価相場とエンジニア派遣のメリット・デメリット

Offers HR Magazine編集部 2024年7月3日

Offers HR Magazine編集部

目次

こんにちは。エンジニア、PM、デザイナーの副業・転職採用サービス「Offers(オファーズ)」のOffers HR Magazine編集部です。今回は、SES(System Engineering Service)の単価相場について、最新の情報をお届けします。また、エンジニア派遣のメリットとデメリットについても詳しく解説していきます。

SESの基本概要

SESは、IT業界で広く利用されているエンジニア派遣の一形態です。その特徴や仕組みを理解することは、SES単価相場を考える上で重要な基礎知識となります。

SESとは何か

SESは「System Engineering Service」の略称で、IT企業がクライアント企業にエンジニアを派遣するサービスを指します。SESとは?エンジニア派遣のメリット・デメリットと見分け方について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

SESの特徴は以下の通りです:

  1. エンジニアが客先に常駐して業務を行う
  2. 準委任契約に基づく場合が多い
  3. プロジェクト単位での契約が一般的
  4. 技術力や経験に応じて単価が設定される

SESの歴史と発展

SESの概念は1990年代後半から2000年代初頭にかけて日本のIT業界で広まりました。当時、IT人材の需要が急増する中、柔軟な人材リソースの確保が課題となっていました。SESは、この課題に対する一つの解決策として登場したのです。

その後、IT技術の進化とともにSESの需要も拡大し、現在では多くのIT企業がSESサービスを提供しています。経済産業省の調査によると、2030年には最大約79万人のIT人材が不足すると予測されています。この人材不足の状況下で、SESの重要性はますます高まっていくでしょう。

SESの仕組み

SESの基本的な仕組みは以下のようになっています:

  1. クライアント企業がSES企業に人材を依頼
  2. SES企業が適切なエンジニアを選定
  3. クライアント企業とSES企業が契約を締結
  4. エンジニアがクライアント企業に常駐して業務を行う
  5. SES企業がクライアント企業から対価を受け取り、エンジニアに給与を支払う

この仕組みにより、クライアント企業は必要な期間だけ専門スキルを持つエンジニアを確保でき、エンジニアは様々なプロジェクトで経験を積むことができます。

SESの単価相場の基本情報

SESの単価相場は、エンジニアのスキルレベルや経験、プロジェクトの内容などによって大きく変動します。ここでは、2024年6月時点での一般的な相場感をお伝えします。

SESの平均単価

SESの平均単価は、エンジニアの経験年数やスキルセットによって大きく異なります。一般的な相場としては、以下のような範囲が考えられます:

  • 新人〜3年未満:50万円〜70万円/月
  • 3年〜5年:70万円〜90万円/月
  • 5年〜10年:90万円〜120万円/月
  • 10年以上:120万円〜150万円/月以上

ただし、これはあくまで目安であり、特殊なスキルや高度な専門性を持つエンジニアの場合、さらに高い単価設定となることもあります。

職種ごとの単価相場

職種によってもSESの単価相場は異なります。以下に、主な職種ごとの一般的な相場感を示します:

  1. プログラマー:60万円〜100万円/月
  2. システムエンジニア:70万円〜120万円/月
  3. プロジェクトマネージャー:100万円〜150万円/月
  4. インフラエンジニア:80万円〜130万円/月
  5. データベースエンジニア:80万円〜140万円/月
  6. セキュリティエンジニア:90万円〜150万円/月

これらの金額は、経験年数や具体的なスキルセットによって変動します。SES料金はどのくらい?月額金額シミュレーションなど利用まとめで、より詳細な情報を確認することができます。

エンジニアのレベル別単価相場

エンジニアのレベルによっても単価は大きく異なります。一般的なレベル分けとそれに応じた単価相場は以下のようになります:

  1. ジュニアレベル(0〜3年程度):50万円〜70万円/月
  2. ミドルレベル(3〜7年程度):70万円〜100万円/月
  3. シニアレベル(7年以上):100万円〜130万円/月
  4. エキスパートレベル:130万円〜200万円/月以上

エンジニアのレベルと能力評価:キャリアパス、スキルマトリックス、評価基準、成長段階の詳細ガイドでは、各レベルに求められるスキルや能力について詳しく解説しています。

単価に影響を与える要因

SESの単価は様々な要因によって変動します。主な影響要因について詳しく見ていきましょう。

エンジニアの経験年数とスキルセット

エンジニアの経験年数は単価を決定する重要な要素の一つです。一般的に、経験年数が長いほど高い単価が設定されます。しかし、単純に年数だけでなく、その間に習得したスキルや携わったプロジェクトの質も重要です。

特に注目されるスキルセットには以下のようなものがあります:

  • プログラミング言語(Java、Python、Ruby、JavaScript等)
  • フレームワーク(Spring、Ruby on Rails、React等)
  • データベース(Oracle、MySQL、PostgreSQL等)
  • クラウドサービス(AWS、Azure、GCP等)
  • AI・機械学習関連技術

これらのスキルを複数持っているエンジニアや、特定の分野で深い専門性を持つエンジニアは、より高い単価で評価される傾向にあります。

SES会社の規模と特性

SES会社の規模や特性も単価に影響を与える要因の一つです。大手SES会社は信頼性や安定性が高く評価され、比較的高い単価設定が可能です。一方、中小のSES会社は柔軟な対応や専門性の高さをアピールポイントとし、競争力のある単価を提示することがあります。

また、特定の業界や技術に特化したSES会社は、その専門性を活かして高い単価を設定できる場合があります。

プロジェクトの内容と規模

プロジェクトの内容や規模も単価に大きな影響を与えます。例えば、以下のような要素が単価を押し上げる要因となります:

  • 大規模かつ長期的なプロジェクト
  • 最新技術を使用する革新的なプロジェクト
  • セキュリティ要件が厳しい金融系プロジェクト
  • グローバル展開を伴うプロジェクト

一方で、比較的小規模な保守運用プロジェクトなどは、単価が抑えられる傾向にあります。

SESの単価を教えてくれない開示の課題と効果的な人材戦略:経営者・採用担当者の視点からでは、SES単価の透明性に関する課題と、それに対する戦略的なアプローチについて詳しく解説しています。

SES単価の算出方法

SES単価の算出方法を理解することは、適切な価格設定や交渉を行う上で重要です。ここでは、一般的な算出方法について説明します。

人月単価の計算方法

SESの単価は通常、「人月(にんげつ)」という単位で計算されます。1人月は、1人のエンジニアが1ヶ月間フルタイムで働いた場合の工数を指します。

人月単価の基本的な計算式は以下の通りです:

人月単価 = (エンジニアの給与 + 間接費 + 利益) ÷ 稼働日数

ここで、間接費には社会保険料、オフィス維持費、教育研修費などが含まれます。利益はSES会社の利益率によって変動します。

例えば、月給40万円のエンジニアの場合、以下のような計算になります:

  • エンジニアの給与:40万円
  • 間接費:20万円(給与の50%と仮定)
  • 利益:15万円(売上の20%と仮定)
  • 稼働日数:20日

この場合、人月単価は以下のように計算されます:

人月単価 = (400,000 + 200,000 + 150,000) ÷ 20 = 37,500円/日

したがって、この場合の月額単価は75万円(37,500円 × 20日)となります。

バッファ(生産幅)を考慮した単価計算

実際の単価設定では、上記の基本計算に加えて「バッファ」や「生産幅」と呼ばれる余裕を持たせることが一般的です。これは、プロジェクトの不確実性や リスクに対応するためのものです。

バッファを考慮した単価計算の例:

バッファ込み単価 = 基本単価 × (1 + バッファ率)

例えば、基本単価が75万円/月で、20%のバッファを設定する場合:

バッファ込み単価 = 750,000 × (1 + 0.2) = 900,000円/月

このように、90万円/月という単価が設定されることになります。

納品や請負契約との違い

SESの単価設定は、納品や請負契約とは異なる特徴があります。

  • SES:工数(人月)ベースでの価格設定
  • 納品:成果物に対する価格設定
  • 請負:プロジェクト全体に対する一括価格設定

SESの場合、プロジェクトの進捗や変更に柔軟に対応できる反面、工数が増えれば費用も比例して増加します。一方、納品や請負の場合は、事前に決められた価格で契約するため、プロジェクトの変更には柔軟に対応しにくいですが、コストの上限が明確になるというメリットがあります。

SESと客先常駐の違いとは?メリット・デメリットを徹底解説では、SESと他の契約形態との違いについて詳しく解説しています。

職種別SESの費用相場

SESの費用相場は職種によって大きく異なります。ここでは、主要な職種ごとの費用相場について詳しく見ていきましょう。

システムエンジニアの相場

システムエンジニア(SE)は、システム全体の設計や開発を担当する職種です。経験やスキルレベルによって相場が大きく変動します。

  • ジュニアSE(1-3年):60万円〜80万円/月
  • ミドルSE(3-7年):80万円〜100万円/月
  • シニアSE(7年以上):100万円〜130万円/月

システムエンジニアの場合、プロジェクトマネジメントスキルや特定の業界知識も評価される傾向があります。

データベースエンジニアの相場

データベースエンジニアは、データベースの設計、構築、運用を担当する専門家です。大量のデータを扱う企業での需要が高まっており、相場も比較的高めです。

  • ジュニアDBE(1-3年):70万円〜90万円/月
  • ミドルDBE(3-7年):90万円〜110万円/月
  • シニアDBE(7年以上):110万円〜140万円/月

特に、ビッグデータ処理やNoSQLデータベースの経験を持つエンジニアは高い評価を受けやすいです。

フロントエンドエンジニアの相場

フロントエンドエンジニアは、ユーザーインターフェースの開発を担当します。最新のフレームワークやライブラリの知識が求められる職種です。

  • ジュニアFE(1-3年):60万円〜80万円/月
  • ミドルFE(3-7年):80万円〜100万円/月
  • シニアFE(7年以上):100万円〜120万円/月

React、Vue.js、Angularなどの主要フレームワークの経験が評価されやすいです。

インフラエンジニアの相場

インフラエンジニアは、システムの基盤となるサーバーやネットワークの設計、構築、運用を担当します。クラウド技術の台頭により、需要が高まっている職種です。

  • ジュニアIE(1-3年):70万円〜90万円/月
  • ミドルIE(3-7年):90万円〜110万円/月
  • シニアIE(7年以上):110万円〜140万円/月

AWS、Azure、GCPなどのクラウドプラットフォームの経験を持つエンジニアは、特に高い評価を受けやすいです。

プロジェクトマネージャーの相場

プロジェクトマネージャー(PM)は、プロジェクト全体の管理と進行を担当する重要な役割です。技術スキルに加えて、マネジメントスキルも重視されます。

  • ジュニアPM(3-5年):90万円〜110万円/月
  • ミドルPM(5-10年):110万円〜130万円/月
  • シニアPM(10年以上):130万円〜180万円/月

大規模プロジェクトの経験や、特定の業界での深い知見を持つPMは、さらに高い単価で評価されることがあります。

ITアナリストの相場

ITアナリストは、ビジネス要件を分析し、それをIT解決策に翻訳する役割を担います。ビジネスとIT両方の知識が求められる職種です。

  • ジュニアアナリスト(1-3年):70万円〜90万円/月
  • ミドルアナリスト(3-7年):90万円〜110万円/月
  • シニアアナリスト(7年以上):110万円〜140万円/月

特定の業界での経験や、データ分析スキルを持つアナリストは高く評価されます。

ITアーキテクトの相場

ITアーキテクトは、システム全体の設計を担当する高度な専門家です。技術的な深い知識と広い視野が求められます。

  • ミドルアーキテクト(5-10年):120万円〜150万円/月
  • シニアアーキテクト(10年以上):150万円〜200万円/月以上

クラウドアーキテクチャやマイクロサービスなど、最新のアーキテクチャに精通したエンジニアは特に高い評価を受けます。

プログラマーの相場

プログラマーは、実際のコーディング作業を中心に担当します。使用する言語やフレームワークによって相場が変動します。

  • ジュニアプログラマー(0-3年):50万円〜70万円/月
  • ミドルプログラマー(3-7年):70万円〜90万円/月
  • シニアプログラマー(7年以上):90万円〜110万円/月

AI・機械学習関連や、モバイルアプリ開発など、特殊なスキルを持つプログラマーは、より高い単価で評価されることがあります。

エンジニア年収はなぜ高い?採用成功の秘訣を解説では、エンジニアの年収事情についてより詳しく解説しています。

SESのメリットとデメリット

SESには企業側とエンジニア側、双方にメリットとデメリットがあります。ここでは、それぞれの立場から見たSESの特徴を詳しく解説します。

SESのメリット

  1. 企業側のメリット:
    • 必要な期間だけ専門スキルを持つエンジニアを確保できる
    • 正社員雇用に比べて人件費の変動費化が可能
    • 多様なプロジェクトに柔軟に対応できる
    • 採用や教育のコストを削減できる
  2. エンジニア側のメリット:
    • 多様なプロジェクトで経験を積むことができる
    • スキルアップの機会が豊富
    • 正社員雇用に比べて高い報酬を得られる可能性がある
    • 働く場所や案件を選択できる自由度が高い

SESのデメリット

  1. 企業側のデメリット:
    • 長期的な人材育成が難しい
    • プロジェクトの機密情報漏洩リスク
    • エンジニアの突然の交代や引き上げのリスク
    • 管理コストが増加する可能性がある
  2. エンジニア側のデメリット:
    • 雇用の安定性が正社員に比べて低い
    • 福利厚生が充実していない場合がある
    • スキルが陳腐化するリスク
    • キャリアパスが不明確になりやすい

SESエンジニアの働き方やメリット・デメリットとは?エンジニア派遣の会社選びのポイントでは、SESエンジニアの視点からより詳細な分析を提供しています。

SESを利用する際の流れ

SESを利用する際の一般的な流れについて、企業側とエンジニア側双方の視点から説明します。

SES会社への問い合わせ方法

企業側:

  1. プロジェクトの要件を明確化する
  2. 複数のSES会社に見積もりを依頼する
  3. 提案内容や単価を比較検討する
  4. 候補となるSES会社とミーティングを行う

エンジニア側:

  1. 複数のSES会社に登録する
  2. 自身のスキルや経験、希望条件を明確に伝える
  3. 案件情報の提供を受ける

SESエンジニアの選定とヒアリング

企業側:

  1. SES会社から提案されたエンジニアの経歴書を確認する
  2. 候補者との面談を実施する
  3. 技術力や適性を評価する
  4. プロジェクトの詳細や期待値を伝える

エンジニア側:

  1. 案件の詳細情報を確認する
  2. 企業との面談に参加する
  3. プロジェクトの内容や自身の役割を明確に理解する
  4. 自身のスキルや経験を適切にアピールする

契約の締結と注意点

企業側:

  1. 契約条件(期間、単価、業務内容など)を確認する
  2. 機密保持契約(NDA)の締結を検討する
  3. 契約書の内容を法務部門などと確認する
  4. SES会社と正式に契約を締結する

エンジニア側:

  1. 契約条件(期間、給与、勤務地など)を確認する
  2. 必要に応じて条件交渉を行う
  3. 契約書にサインする

業務開始とフォローアップ

企業側:

  1. エンジニアの受け入れ準備を行う(デスク、PC、アカウントなど)
  2. オンボーディングプロセスを実施する
  3. 定期的に進捗確認やフィードバックを行う
  4. 必要に応じてSES会社と連携し、課題解決を図る

エンジニア側:

  1. プロジェクトのルールや環境を理解する
  2. チームメンバーとのコミュニケーションを積極的に行う
  3. 定期的に進捗報告や相談を行う
  4. スキルアップに努める

エンジニア採用における人事・採用戦略とプロセスでは、エンジニア採用全般に関するより詳細な戦略とプロセスについて解説しています。

SESの単価交渉のポイント

SESの単価交渉は、企業側とSES会社(およびエンジニア)双方にとって重要なプロセスです。適切な交渉を行うことで、Win-Winの関係を構築することができます。

市場相場の把握

単価交渉の第一歩は、市場相場を正確に把握することです。

  • 企業側:同様のプロジェクトでの一般的な単価を調査する
  • SES会社側:競合他社の単価設定や最新の市場動向を研究する

市場相場は常に変動しているため、定期的な情報収集が重要です。特に、特定のスキルセットに対する需要が急激に高まった場合、相場が大きく変動することがあります。

必要なスキルの明確化

プロジェクトに必要なスキルを明確にすることで、適切な単価設定が可能になります。

  • 企業側:プロジェクトに必要な具体的なスキルや経験を列挙する
  • SES会社側:提案するエンジニアのスキルや経験を詳細に説明する

特に、プロジェクトの成功に直結する重要なスキルについては、その価値を適切に評価することが重要です。

予算の明確化とその伝え方

企業側は、プロジェクトの予算を明確にし、それをSES会社に適切に伝える必要があります。

  • 予算の上限を明確に伝える
  • 予算の柔軟性(上振れの可能性)についても言及する
  • 予算の根拠(過去の類似プロジェクトの実績など)を説明する

一方、SES会社側は、提示された予算内でどのようなサービスが提供可能かを具体的に説明することが重要です。

交渉のテクニック

  1. Win-Winの関係構築を目指す
    • 単純な値下げ交渉ではなく、双方にとってのメリットを探る
  2. 長期的な関係性を考慮する
    • 単発のプロジェクトだけでなく、将来的な協力関係も視野に入れる
  3. 柔軟な交渉姿勢を持つ
    • 単価以外の条件(契約期間、スキルアップ支援など)も含めて総合的に検討する
  4. データに基づいた交渉を行う
    • 感情的な交渉を避け、客観的なデータや事実に基づいて議論する
  5. 交渉の余地を残す
    • 最初から最終案を出さず、段階的に条件を詰めていく

これらのポイントを押さえることで、より生産的で効果的な単価交渉が可能になります。

SESの単価を教えてくれない開示の課題と効果的な人材戦略:経営者・採用担当者の視点からでは、SES単価の透明性に関する課題と、それに対する戦略的なアプローチについて詳しく解説しています。

指揮命令違反とその対策

SESを利用する際、指揮命令関係の問題は非常に重要です。適切な運用を行わないと、法的なリスクを抱える可能性があります。ここでは、指揮命令違反とその対策について詳しく解説します。

指揮命令とは何か

指揮命令とは、労働者に対して具体的な業務内容や遂行方法を直接指示し、業務を管理・監督することを指します。SESの場合、基本的には発注元企業(クライアント)ではなく、SES会社が派遣エンジニアに対して指揮命令を行うべきです。

しかし、実務上はクライアント企業の従業員と同じように働くケースが多く、指揮命令関係が曖昧になりがちです。これが法的リスクを生む原因となっています。

指揮命令違反のリスク

指揮命令違反には以下のようなリスクがあります:

  1. 偽装請負と判断されるリスク
    • SESでありながら、実質的に労働者派遣と同様の働き方をしている場合、偽装請負と見なされる可能性があります。
  2. 労働者派遣法違反のリスク
    • SES会社が派遣業の許可を持っていない場合、労働者派遣法違反となる可能性があります。
  3. 二重派遣のリスク
    • SES会社がさらに別の会社からエンジニアを受け入れて派遣している場合、違法な二重派遣となります。
  4. 労働問題発生のリスク
    • 指揮命令関係が不明確な場合、労働トラブルが発生しやすくなります。

これらのリスクは、企業のレピュテーションを損なうだけでなく、法的制裁を受ける可能性もあります。

指揮命令違反の防止策

指揮命令違反を防ぐために、以下のような対策を講じることが重要です:

  1. 契約内容の明確化
    • SES契約であることを明記し、業務の範囲や責任分担を明確にします。
  2. 業務指示系統の確立
    • SES会社を通じて業務指示を行う仕組みを構築します。
  3. 労働時間管理の徹底
    • 労働時間の管理はSES会社が行い、クライアント企業は直接管理しないようにします。
  4. 定期的なチェック
    • 実際の業務遂行状況が契約内容に沿っているか、定期的に確認します。
  5. 社内教育の実施
    • クライアント企業の従業員に対して、SESエンジニアとの適切な関係性について教育を行います。
  6. 法的アドバイスの取得
    • 必要に応じて、労務専門家や弁護士に相談し、法的リスクを最小限に抑えます。

SESと客先常駐の違いとは?メリット・デメリットを徹底解説では、SESと客先常駐の違いについて詳しく解説しています。これらの違いを理解することで、指揮命令違反のリスクをより効果的に回避できるでしょう。

システム開発に関連する補助金と助成金

システム開発プロジェクトを進める上で、政府や自治体が提供する各種補助金や助成金を活用することで、コストを抑えつつ高品質な開発を実現できる可能性があります。ここでは、主な補助金・助成金制度とその活用方法について解説します。

IT導入補助金

IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等のITツール導入を支援する制度です。

  • 対象:中小企業・小規模事業者等
  • 補助率:最大1/2
  • 補助上限額:最大450万円(2024年度の場合)

この補助金は、業務効率化やデジタル化を目的としたITツールの導入に活用できます。SESを利用したシステム開発も、条件を満たせば対象となる可能性があります。

ものづくり補助金

ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者の革新的な製品・サービス開発や生産プロセスの改善を支援する制度です。

  • 対象:中小企業・小規模事業者
  • 補助率:最大2/3
  • 補助上限額:原則1,000万円(2024年度の場合)

製造業に限らず、革新的なシステム開発プロジェクトも対象となる場合があります。

持続化補助金

持続化補助金は、小規模事業者の販路開拓等の取り組みを支援する制度です。

  • 対象:小規模事業者
  • 補助率:2/3
  • 補助上限額:50万円(2024年度の場合)

ウェブサイトの制作やECサイトの構築など、比較的小規模なIT投資に活用できます。

補助金・助成金の利用方法

  1. 情報収集
    • 各制度の公式サイトや、中小企業庁、経済産業省のウェブサイトで最新情報を確認します。
  2. 事業計画の策定
    • 補助金の目的に沿った事業計画を策定します。外部の専門家に相談するのも有効です。
  3. 申請書類の作成
    • 必要書類を過不足なく準備します。記載内容の整合性に注意が必要です。
  4. 申請・審査
    • 定められた期間内に申請を行います。審査結果を待ちます。
  5. 交付決定後の事業実施
    • 交付決定を受けた後、計画に沿って事業を実施します。
  6. 実績報告・精算払請求
    • 事業完了後、実績報告書を提出し、補助金の支払いを請求します。

これらの補助金・助成金を上手く活用することで、SESを利用したシステム開発プロジェクトのコストを抑えつつ、より高度な開発を実現できる可能性があります。

新規事業で補助金を使って、スタートアップを立ち上げる方法では、スタートアップ企業向けの補助金活用方法について詳しく解説しています。システム開発を含む新規事業立ち上げの参考になるでしょう。

まとめ

SESの単価相場は、エンジニアのスキルレベルや経験、プロジェクトの内容などによって大きく変動します。

2024年6月時点での一般的な相場は、新人〜3年未満で50万円〜70万円/月、3年〜5年で70万円〜90万円/月、5年〜10年で90万円〜120万円/月、10年以上で120万円〜150万円/月以上となっています。

経験年数

単価相場(月額)

新人〜3年未満

50万円〜70万円

3年〜5年

70万円〜90万円

5年〜10年

90万円〜120万円

10年以上

120万円〜150万円以上

SESを利用する際は、そのメリットとデメリットを十分に理解し、適切な運用を心がけることが重要です。特に、指揮命令関係には注意が必要で、法的リスクを回避するための対策を講じる必要があります。

また、システム開発プロジェクトを進める上で、各種補助金や助成金の活用を検討することで、コストを抑えつつ高品質な開発を実現できる可能性があります。

SESは、IT業界において重要な役割を果たしています。その適切な活用は、企業の競争力向上とエンジニアのキャリア発展の両立に寄与するでしょう。今後も市場動向や法制度の変化に注目しつつ、SESを戦略的に活用していくことが求められます。

エンジニア・デザイナー・PMなどの開発組織の人材の採用や組織の作り方やトレンド・ノウハウに関する情報を定期的に配信しております。
ぜひ、メールマガジンにご登録ください!


採用・組織課題別お勧め記事


この記事をシェアする