スタートアップエコシステムとは?事例や拠点都市、内閣府・経済産業省の取り組みを徹底解説

Offers HR Magazine編集部 2024年6月20日

Offers HR Magazine編集部

目次

スタートアップエコシステムは、スタートアップ企業を取り巻く様々なプレイヤーや要素が相互に作用し合う、生態系のような環境を指します。スタートアップの創出や成長に欠かせない存在として、近年注目を集めています。本記事では、スタートアップエコシステムの概要や事例、国内の拠点都市、内閣府や経済産業省の取り組みなどについて、わかりやすく解説します。スタートアップ関連ビジネスに携わる採用担当者や経営者の方々に、スタートアップエコシステムへの理解を深めていただくための情報をお届けします。

スタートアップエコシステムとは

スタートアップエコシステムとは、スタートアップ企業を中心に、投資家、大企業、大学、行政機関など、様々なプレイヤーが相互に影響し合い、イノベーションを生み出す環境のことを指します。シリコンバレーに代表されるように、スタートアップエコシステムが発達した地域では、多くのスタートアップ企業が誕生し、急成長を遂げています。

スタートアップエコシステムの主な構成要素

スタートアップエコシステムは、以下のような構成要素から成り立っています。

  1. スタートアップ企業:革新的なアイデアやテクノロジーを持つ新興企業。
  2. 投資家:エンジェル投資家やベンチャーキャピタルなど、スタートアップに投資する個人や機関。
  3. 大企業:スタートアップとの協業や買収を通じて、イノベーションを取り込む大手企業。
  4. 大学・研究機関:スタートアップの創出や人材育成に寄与する教育・研究機関。
  5. アクセラレーター・インキュベーター:スタートアップの成長を支援するプログラムや施設。
  6. 行政機関:スタートアップ支援策や規制緩和などを通じて、エコシステムの発展を後押しする公的機関。
  7. コワーキングスペース:スタートアップの拠点となるオフィススペースやネットワーキングの場。

これらの構成要素が有機的に結びつき、スタートアップの成長を支える環境が整うことで、イノベーションが促進されます。

スタートアップエコシステムが果たす役割

スタートアップエコシステムは、以下のような役割を果たします。

  1. スタートアップの創出:エコシステムを通じて、起業家精神が醸成され、新たなスタートアップが生まれやすくなります。
  2. 資金調達の支援:投資家やベンチャーキャピタルなどのネットワークにより、スタートアップの資金調達が円滑に行われます。
  3. 人材の供給:大学や研究機関、大企業などから、優秀な人材がスタートアップに集まります。
  4. ナレッジの共有:スタートアップ同士や、支援機関との交流を通じて、ノウハウや経験が共有されます。
  5. 事業機会の創出:大企業とスタートアップの協業により、新たな事業機会が生まれます。

スタートアップエコシステムは、スタートアップの成長を加速させ、イノベーションを生み出す土壌となっています。

スタートアップが資金調達を成功させるための具体的な方法と事例:投資家との関係構築からクラウドファンディングまで
https://hr-media.offers.jp/articles/startup-finance/

スタートアップエコシステムの事例

世界には、特色あるスタートアップエコシステムが数多く存在します。ここでは、代表的な事例を紹介しましょう。

シリコンバレー(米国)

シリコンバレーは、世界で最も有名なスタートアップエコシステムです。スタンフォード大学を中心に、Google、Apple、Facebookなど、数多くの世界的企業が誕生しました。豊富な投資資金、優秀な人材、起業家精神など、スタートアップの成長に必要な要素が揃っています。

テルアビブ(イスラエル)

イスラエルの首都テルアビブは、「中東のシリコンバレー」と呼ばれるスタートアップエコシステムを有しています。限られた資源の中で、イノベーションを生み出す起業家精神が根付いており、特に、サイバーセキュリティ分野で多くのスタートアップが誕生しています。

バンガロール(インド)

インド南部の都市バンガロールは、IT企業の集積地として知られ、近年はスタートアップエコシステムも発達しています。豊富なエンジニア人材を背景に、E-コマースやフィンテックなどの分野で、多くのスタートアップが活躍しています。

深圳(中国)

中国の深圳は、ハードウェアスタートアップの一大拠点として知られています。電子部品の調達や製造に適した環境が整っており、IoTやウェアラブルデバイスなどの分野で、多くのスタートアップが生まれています。

ベルリン(ドイツ)

ドイツの首都ベルリンは、ヨーロッパ有数のスタートアップエコシステムを有しています。低家賃や豊富な人材、国際色豊かな環境を背景に、FinTechやモビリティ、E-コマースなどの分野で、多くのスタートアップが活躍しています。

日本のスタートアップエコシステム拠点都市と現状

続いて、日本国内のスタートアップエコシステム拠点都市の現状について見ていきましょう。

東京

日本最大のスタートアップエコシステムを有するのが東京です。大手企業やベンチャーキャピタルが集積し、国内最多のスタートアップ企業が存在します。東京都は、「グローバル・スタートアップ・エコシステム Tokyo」を掲げ、スタートアップ支援に力を入れています。

参考:東京都

福岡

福岡は、アジアに近い地理的優位性を活かし、国際色豊かなスタートアップエコシステムを形成しています。市を挙げてスタートアップ支援に取り組んでおり、「Fukuoka Growth Next」などの拠点施設を運営しています。

参考:Fukuoka Growth Next

京都

京都は、大学や研究機関が集積する学術都市であり、テクノロジー系スタートアップの創出に適した環境があります。京都リサーチパークを中心に、バイオテクノロジーやディープテックなどの分野で、多くのスタートアップが生まれています。

沖縄

沖縄県は、国内で有数のスタートアップエコシステムを有しています。観光産業との相乗効果を狙った独自のエコシステムを形成しており、「Nago Startup Village」などのスタートアップ拠点を設置しています。また、「スタートアップ・アイランド・OKINAWA」といった取り組みを通じて、スタートアップ支援を強化しています。

大阪

大阪は、関西地方のスタートアップエコシステムの中心地です。大阪イノベーションハブを中心に、大企業とスタートアップの共創や、スタートアップ支援に取り組んでいます。また、国内外のスタートアップイベントの開催地としても知られています。

内閣府・経済産業省のスタートアップエコシステム支援策

日本政府は、スタートアップエコシステムの形成を重要な政策課題と位置づけ、様々な支援策を打ち出しています。

内閣府の取り組み

内閣府は、「統合イノベーション戦略」の中で、スタートアップエコシステム形成の重要性を指摘しています。具体的には、「J-Startup」プログラムを通じて、有望なスタートアップの発掘と育成に取り組んでいます。また、「グローバル・ベンチャー・エコシステム」の形成を目指し、海外のエコシステムとの連携強化にも力を入れています。

経済産業省の取り組み

経済産業省は、「スタートアップ・エコシステム形成支援」事業を通じて、地域のスタートアップエコシステム形成を支援しています。また、「J-Startup KANSAI」や「J-Startup CHUBU」など、地域版の J-Startup プログラムも展開しています。さらに、「オープンイノベーション・ベンチャー創造協議会」を設立し、大企業とスタートアップの共創を促進しています。

スタートアップエコシステムを活性化するためには、大企業とスタートアップの共創が欠かせません。経済産業省は、「スタートアップ・エコシステム共創の手引き」を公開し、大企業とスタートアップの協業を促進するための方法論を提示しています。

参考:経済産業省 J-Startup

スタートアップエコシステムランキング

世界のスタートアップエコシステムを評価するランキングとして、「Global Startup Ecosystem Report」が知られています。このランキングでは、各エコシステムのパフォーマンスや資金調達額、人材の流動性など、多角的な指標を用いて評価が行われます。

2022年版のランキングでは、以下の都市がトップ10にランクインしています。

  1. シリコンバレー(米国)
  2. ニューヨーク(米国)
  3. ロンドン(英国)
  4. ボストン(米国)
  5. 北京(中国)
  6. テルアビブ(イスラエル)
  7. ロサンゼルス(米国)
  8. 上海(中国)
  9. シアトル(米国)
  10. パリ(フランス)

日本からは、東京が15位にランクインしています。今後、日本のスタートアップエコシステムがさらに発展し、ランキングの上位に食い込んでいくことが期待されます。

まとめ

本記事では、スタートアップエコシステムについて、わかりやすく解説しました。スタートアップエコシステムとは、スタートアップ企業を取り巻く様々なプレイヤーが相互に作用し合う環境であり、イノベーションの創出に欠かせない存在です。

世界には、シリコンバレーをはじめとする特色あるスタートアップエコシステムが存在します。日本でも、東京や福岡、沖縄など、各地でスタートアップエコシステムの形成が進んでいます。

内閣府や経済産業省は、スタートアップエコシステムの形成を重要な政策課題と位置づけ、様々な支援策を打ち出しています。特に、大企業とスタートアップの共創を促進する取り組みが注目されています。

今後、日本のスタートアップエコシステムがさらに発展し、グローバルなランキングでも上位に食い込んでいくことが期待されます。スタートアップ関連ビジネスに携わる採用担当者や経営者の方々には、スタートアップエコシステムへの理解を深め、その可能性を活かしていただきたいと思います。

エンジニア・デザイナー・PMなどの開発組織の人材の採用や組織の作り方やトレンド・ノウハウに関する情報を定期的に配信しております。
ぜひ、メールマガジンにご登録ください!


採用・組織課題別お勧め記事


この記事をシェアする